お仕事お疲れ様です。今回は、競馬初心者「吉岡」と共に日本ダービーへ参加してきましたのでそのレポートになります。10万人を超えるファンに囲まれて、初心者吉岡が奮闘する様と、競馬の楽しさをお伝え出来ればと思います。
まずは予備知識
開催日:毎年5月最後の日曜(又は6月最初の日曜)
この日は年に一度の競馬の祭典【日本ダービー東京優駿 G1】が開催されます。このレースをざっくりと説明すると、高校3年のインターハイ決勝です。競走馬にとって一生に一度の晴れ舞台なのです。2度目のチャンスはなし。このレースは競馬関係者全ての夢であり、ダービーを中心に競馬は回っていると言っても過言ではございません。
賞金
1着:2億円
2着:8千万円
3着:5千万円
4着:3千万円
5着:2千万円
名前が二つ?
東京優駿が本来のレース名で、副称として日本ダービーが広く使われています。ダービー とは1780年にイギリスでダービーステークスを創設した第12代ダービー卿のエドワード・スミス・スタンレーがルーツで、現在は「風物詩」的なものとして有馬記念と並んでファンだけでなく一般的にも浸透していますね。
東京競馬場へGO!
東京競馬場へのアクセスは新宿駅から京王線で「府中競馬正門前駅」までがポピュラーです。東京競馬場と呼称されていますが、駅名は府中競馬正門前駅なのでそこを注意です。それと、車で行く場合は帰りのタイミング次第で鬼のように渋滞するので、覚悟が必要です。
さぁ、京王線ホームで吉岡と集合です。当日はダービーがホームをジャックしています。
この男が吉岡です。パチンコとスロットを愛した男がそれに別れを告げて競馬に参戦です。大抵負けるでしょうが、楽しんだらそれでいんです。主張が強めのネックレスをしていますがお守りでしょうか?呪いでしょうか?クワバラクワバラ。
彼は基本ローテンションなので、楽しんでいるのかわかりにくいですが、気になさらずに。
府中競馬正門前駅に到着して、数多くの同士たちと電車を降ります。99.9%の人が競馬場に吸い込まれていきます。今日は暑いが頑張ろう吉岡!
改札を出ると、やたらと目立つ黄金の馬「アハルテケ」がお出迎えです。触って勝負運を身にまとえ!
G3やG2では中々この絵は撮れません。静止している写真ですが、皆さんの足取りが軽く感じられます。
!? 脱いだらムッチムチだなお前は。ネックレスが少し苦しいんじゃないか?大丈夫か?まぁ、いいか。記念写真も撮りましたので我々も行きましょう!
園内に入るにはチケットを購入します。G1の時は記念チケットみたいになっていてコレクター心をくすぐります。大人1枚200円。15歳未満は無料。
「おおおお。かっこいいですね」記念チケットに吉岡も顔がほころぶ。
どうだ吉岡?気持ちぃだろ?
「これは気持ちいいですね。というか広いですね。そして暑いですね」
敷地面積だと東京ドーム約90個分に相当する広大な東京競馬場。天気に恵まれると最高に気持ちいいです。
とりあえず1レース買ってみる
「いやー、燃えてきました。パチスロで負けた分しっかり競馬で取り返します」
こいつは、見かけによらず欲望の塊で、欲がありすぎて腹がはち切れそうになっていますね。クワバラクワバラ。
マークシートの書き方を教えると、覚えが良くスラスラっと記入して発券機へ。ギャンブル魂なのでしょうか。マークシートは結構複雑なんだけどな・・・
発券機にはお金を先に入れて、その後にマークシートを入れると、お釣りと馬券が出てきます。
ペローン。当たるといいな吉岡!どれ、馬券を見せてみなさい。
こ、これは、、、単勝BOXッ!この購入方法できたか。
2 ロードナカヤマ 23.1倍
3 ラユロット 7倍
12 ランバージャック 14.9倍
ガミは無さそうで安心。流石にそれはやらかさないか。さぁ、時間がない、競馬を見よう!
応援をせずに、口を開けて見守るスタイルの吉岡。直線に入ってもこのスタイルは変わることがなかった。撮れ高の無い男よ。
ゴールして固まる吉岡。これは当たったパターンなのでは?
「イエス!やりました!いきなりとりました!超興奮しました!やりましたぁぁぁ」
喜びを爆発させる吉岡。でもこれが正常なリアクションである。馬券を当てると例えようのない喜びが込み上げてくる。最初はこれがとにかく楽しいものです。
ちなみに的中は、3ラユロットの7倍をゲット!おめでとう!ただ、脇毛は次から自重しろ。
さぁ、的中した者だけが並べる払戻機へ!
おめでとう!2,000円のプラスだな!幸先いいね!
「これやばいっすね。パチスロ相当遅いっすね(勝つまでが)。換金も楽だし携帯で買えるやつ契約します」
彼、相当に舞い上がっちゃってます。クールダウンするためにパドックへ行こう。
「ぐるぐる回ってるとこですね?」
パドック
「け、けっこうでかいっすね。馬。近いと怖いっすね・・・」
そうなのです。だてに500キロありませんよって大きさです。ご機嫌斜めな馬を間近で見ると慣れてない人は普通に身構えてしまいます。
パドックでは、フラッシュ禁止!大きな声禁止!ジョッキーにヤジ飛ばしてる人は退場して下さいね!
この真ん中の緑ゾーンの中に馬主達が集まって社交します。G1になると必ずその風景を見ることができます。
出典 私、写真人です!
こんな感じですね。テレビでよく見るあれです。お金持ちの皆様です。
とゆうことで、折角だからパドックを見たレースを買おうじゃないか吉岡くん!
「見たところで何が良いのかサッパリわかりません。汗ビショビショな馬はあまり良くないってのは何となくわかりました」
そのとおり。パドックでは良いところを見つけるのは中々難しいのです。逆に言うとマイナス要素を確認することに集中した方が得策です。発汗、落ち着きなどパドック初心者でも何となくですがコンディションを把握することが出来ると思います。というかパドック解説で「これは素晴らしい状態」って言われてもあまり信用しない方がいいです。経験上。
レース再開
「ここを塗ってと」
おいおいおい。その背中は初心者のそれとは違うぞ君。2回目の購入にして「壁書き」を習得するとは。こいつ。出来る。
「サササッ」
・・・もう何も教えることは無いのかもしれない。
何を買ったんだい?ん?一応見せなさい。
1ショウブニデル 29.9倍
6レッドコマチ 39.5倍
8ハイランドピーク 6.8倍
16マルヨシャバーリー 50.1倍
相変わらずの単勝BOX。凄まじい穴狙い。一番人気は嫌いか?と聞くと「大嫌いですね」とのこと。
結果
3→8→16
で決着。3は5番人気の12.3倍。2着3着を拾っているだけに惜しい。この結果は複勝購入を促す結果になりそうだ。自発的にそうなるかどうか。それにしても大穴が惜しかったな。
「当たらないと意味ないですね」
わかってるね。
「お腹減ったんでご飯買ってきました」
おお、俺の分まですまない。ありがとうね。
「いや、これは・・・」
・・・そうか、お腹減ってたもんな。なんかごめんな。
「むしゃむしゃ。うめぇっす」
「次のレースの馬券も買ってきました」
誰よりも競馬場を楽しんでそうでなにより。
三連複一点買い!しかも1、2、3番人気の組み合わせ!お前人気馬嫌いじゃなかった?
「これは硬い決着と見ました」
攻め方は素晴らしい。硬いレースと見るや躊躇なく一点購入。この気前の良さはサラリーマン金太郎を彷彿とさせるが、恐れを知らぬは危険だぞ吉岡。それと、脇毛を自重するんだ。
結果
6(5人気)→11 (1人気)→7 (7人気)
「人気サイドは購入するもんじゃないっすね」
まぁ、一点買いで当てたら人気サイドでの購入でもすごいけどな。
「次の馬券買ってきます」
この言葉を言い放ち人混みに消える吉岡。次のレース(8R)のファンファーレが鳴り響いても帰ってこなかった・・・
そして9R発走の10分前に戻ってきた。
「8Rは回避して9Rに全てを集中してきました」
全てを集中するのはダービーにしろよな。どれ、馬券は。
2サンマルティン 単6.5 複2.0-2.9
得意の単勝BOXはやめたのか。
「はい。一頭の単勝複勝を狙った方が気持ち的に楽だし、2着3着でも当たりなので」
ふむ。普通に超まともなこと言ってるんですけど。むしろ今の俺がその馬券スタイルなんですけど。少し悔しい気持ちになった。ちなみにサンマルティンは4番人気。
「あ、当たりました」
凄いね君。
結果
2→8→1
単勝複勝ダブル的中で払戻は9,200円。ダービーに弾みをつける素晴らしい結果。吉岡やったじゃないか!
「競馬面白いっす。超面白いっす。ちなみにダービーの馬券もさっき買ってきました」
え?
日本ダービー発走!
「これです」
1 ダンビュライト 4スワーヴリチャード
7 アルアイン 10 ベストアプローチ
11 ペルシアンナイト 12 レイデオロ
15 ダイワキャグニー(単40.9)
合計23,000円の突っ込み。
え!? なになに? え? 今までの購入は何だったの?
「3連単は難しそうだったので馬単で一発を狙います」
そうだ。忘れていた。こいつはパチンコで大負けした負債を競馬で逆転すべく参上したんだった。それにしても馬単のBOX購入ってどこからそんな玄人じみた方法にたどりついたのか不思議で仕方ない。
私はベストアプローチの単勝複勝を握りしめる。
10 ベストアプローチ (単61.2)
願わくば吉岡と私のダブル的中と行きたいところだが、馬券的に難しいだろう。せめてどちらか当たってくれ!ここまでくると祈るのみ。素人玄人関係ない。祈るのみ!
後ろを振り返ると、私の推し馬マウントロブソンがひょっこりと見守ってくれていた!掲示板に載ることは出来なかったが、看板に載れたのか!かわいい。なんてかわいいんだマントロブソン。
そして…
ターン タタターン タタターン♪
観衆「おいおい!( ^∀^)」
タ タ タ ターン「おいおい!( ^∀^)」
タ タ タ ターン「おいおい!( ^∀^)」
タータ タンタンタンタンタン ターーン
タータ タンタンタンタンタンターーン
プゥプゥプゥプゥププ
ター ター ター ターーーーーーーン
観衆「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「なんすか?これなんすか!?やばいっすね。超緊張してきました。やばいっすね。ファンファーレって生演奏なんすね!」
初競馬で初ダービー。そして勝負馬券。緊張しない方がおかしい。応援だ。その緊張は応援で乗り越えるんだ!
「・・・」
相変わらず口を開けて見守るスタイルの吉岡。楽しみ方は人それぞれ。
最終コーナーから直線へ。鞭が入る。馬体がぶつかる。声にならない声を出す!
結果
レイデオロ優勝!
12(2人気)→ 4(3人気)→ 18(1人気)
吉岡は盛大にトリガミ。
私のベストアプローチは9着。
「全然でしたね。ガチガチでしたね。」
ダービーだからと言って、全体的に見ればただの1レースだからね。
「…目黒記念」
え?
「目黒記念がまだあります。そこに全てを賭けます」
まだ【全て】が残っているのか。ヤメておけ。やるにしても豆券で楽しむんだ。
「負けて帰る訳には…馬券買ってきます」
止めた方が良かったかもしれないが、今回は行かせてしまった。ビギナーズラックがまだ残っていて奇跡的な大捲りが見れるかもしれない。そう期待した自分もいた。
G1開催の時は、競馬トラックの真ん中(馬上内)でグルメフェス的なイベントが行われている。そこで吉岡と待ち合わせすることにした。
目黒記念で逆転を狙う
日本ダービー開催日は、同日の最終レースにG2目黒記念もある。東京競馬場が出来る前は、目黒区下目黒に目黒競馬場があり、そこで東京優駿が開催されていた。これがレース名の由来な訳だが、ハンデ戦ということもあり荒れ要素が多く、ダービーの敗者達から更にお金が吸い込まれることは言うまでもない。その一人になるなよ、吉岡!
「なんですかここは。出店がたくさんありますね。からあげ食べたいっす」
一発目に見つけた唐揚げ屋さんに速攻で並ぶ吉岡。並ぶよりも先に購入してきた馬券を見せろよな。吉岡の無言の圧力に店の兄さんも少し引き気味だ。
…憎めない笑顔だ。よかったな。ベンチに座って食べようじゃないか。
「これも美味しそうですよ」
お前いくらなんでも二つは食べすぎだろ。
「一つはナビ男さんの分です」
今日一番嬉しかった。
熱々の唐揚げを頬張りながら見せつけてきた馬券はワンアンドオンリーの単複だった。
15 ワンアンドオンリー (単18.5 複5.5-8.2)
最後は男らしくいったな。
「ナビ男さんのベストアプローチ馬券をみて夢があるなと思ったので。しかもダービー馬でしたよ。巡り合わせですねこれは。名前もいいです」
動機的には外れる予感しかしなかったが、潔さと競馬ファン風になってきたコメントを聞いて応援したくなった。
「あ!」
どうした?
「まだ時間ありますよね!?」
あるよ。
満足か?
「はい!後はワンアンドオンリーさんが勝ってくれるだけです」
ガチャコン!
スタートしましたぁ!
〜〜〜
ワンアンドオンリーは10着だった。文字通り【全て】を出し切った吉岡には哀愁が満ちていた。ダメージパンツがまた似合う。
お笑いコンビTIMのトークショーが行われておりゴルゴ松本さんが「競馬っていいよねぇ!競馬最高!競馬は最高だぁぁぁ!」と叫んでいた。無言でトークショーを聞く吉岡は何を思うか。ビギナーズラックはサンマルティンの単勝的中に留まったが、どこかセンスを感じさせる馬券だった。気がする。
自分の信じたところに突っ込むそれは、帯を2回も的中させている破天荒芸人吉村に近しいものがある。彼もまた初心者だ。変に競馬を学ぶとこの気前の良さが失われてしまう人もいる。吉岡はどうか。お前の馬券は見ていて気持ちよかったぞ!
初の競馬場はどうだった?
「行ってみないとわからないもんですね。負けたけど競馬を楽しめました。美味しいものも食べれたし、普通に満足です。そして疲れました。」
取り返すために参加した吉岡からこの言葉が聞けて私はとても嬉しく思った。お金だけじゃないんだ。お金も大事だけど、それ以上のものが競馬にはある。吉岡のおかげで改めて確信出来た。ありがとう。
さぁ、帰ろう!
「新宿で何食べますか?」
・・・。
これで2017日本ダービーレポートは終わりになります。藤沢調教師はソウルスターリングでオークスを、レイデオロでダービーを勝利し、自ら競馬七不思議の一つに終止符を打ちました。この2分ちょっとの時間の為に、先頭でゴールを駆け抜けるために競馬人は、馬は命を削って仕事をしている。全く職域の違う仕事をしていますが、その精神や直向きさは、ダービーのような大きなレースに行く度に感じることが出来ます。とても幸せなことです。
食レポみたいなダービーレポートでしたが、これも一つの楽しみ方ですよね。私も吉岡も馬券は全然でしたが、充実した1日を過ごせました。次回のレポートは夏競馬を予定しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
personal-α 双眼鏡 10倍 10×22 6.5° (white)
競馬場に行く際はぜひ!
コメントを残す