今回は、青葉賞から日本ダービーへのローテーションについて個人的な結論にたどり着こうと思います。過去を振り返ると青葉賞から日本ダービーに駒を進めて勝利した馬は一頭もいません。競馬ファンならば知らぬ人はいないほどに有名なハナシであります。毎年のように青葉賞が終わるとこの話題になるほどです。それでも!それでもこの馬なら!と信じて買うも結果は出ず。2着はあれども1着なし。ジンクス化している部分を多角的に考えていきます。では、よろしくお願いします。
歴史
まず、青葉賞勝ち馬が日本ダービーでどのような成績になったのかを見ていきます。グレード制が導入となった年から見ますと26回です。ちょっと見にくいですがお許し下さい。
開催年 青葉賞勝ち馬
青葉賞での人気 → ダービーでの枠番 ダービーでの人気 結果
1994年 エアダブリン
青葉賞にて1番人気 → 2枠4番 4番人気 2着
1995年 サマーサスピション
→ 骨折のため回避
1996年 マウンテンストーン
青葉賞にて8番人気 → 6枠11番 6番人気 11着
1997年 トキオエクセレント
青葉賞にて1番人気 → 8枠17番 5番人気 8着
1998年 タヤスアゲイン
青葉賞にて2番人気 → 2枠3番 7番人気 8着
1999年 ペインテドブラック
青葉賞にて1番人気 → 4枠7番 5番人気 7着
2000年 カーネギーダイアン
青葉賞にて1番人気 → 3枠5番 4番人気 7着
2001年 ルゼル
青葉賞にて3番人気 → 1枠2番 4番人気 14着
2002年 シンボリクリスエス
青葉賞にて1番人気 → 6枠11番 3番人気 2着
2003年 ゼンノロブロイ
青葉賞にて1番人気 → 2枠3番 3番人気 2着
2004年 ハイアーゲーム
青葉賞にて3番人気 → 8枠17番 3番人気 3着
2005年 ダンツキッチョウ
青葉賞にて1番人気 → 7枠13番 3番人気 13着
2006年 アドマイヤメイン
青葉賞にて1番人気 → 3枠6番 4番人気 2着
2007年 ヒラボクロイヤル
青葉賞にて3番人気 → 5枠9番 5番人気 16着
2008年 アドマイヤコマンド
青葉賞にて2番人気 → 4枠8番 4番人気 7着
2009年 アプレザンレーヴ
青葉賞にて1番人気 → 1枠2番 4番人気 5着
2010年 ペルーサ
青葉賞にて1番人気 → 5枠9番 2番人気 6着
2011年 ウインバリアシオン
青葉賞にて6番人気 → 1枠1番 10番人気 2着
2012年 フェノーメノ
青葉賞にて1番人気 → 6枠11番 5番人気 2着
2013年 ヒラボクディープ
青葉賞にて7番人気→ 4枠7番 5番人気 13着
2014年 ショウナンラグーン
青葉賞にて10番人気 → 3枠6番 9番人気 6着
2015年 レーヴミストラル
青葉賞にて1番人気 → 4枠7番 4番人気 9着
2016年 ヴァンキッシュラン
青葉賞にて4番人気 → 7枠14番 6番人気 13着
2017年 アドミラブル
青葉賞にて1番人気 → 8枠18番 1番人気 3着
2018年 ゴーフォザサミット
青葉賞にて6人気 → 3枠6番 7番人気 7着
2019年 リオンリオン
青葉賞にて5人気 → 7枠15番 6番人気 15着
改めて見ると素晴らしいメンバーです。本当に。後のG1ホースも多数。全体成績は(0-6-2-17)3着内率はおよそ30%です。数字だけ見れば勝負の運のようなもので、青葉賞ローテからのダービーホースが出るのは時間の問題に思えますね。
体力的問題
青葉賞は、ダービーと同じ舞台の東京2,400mです。そしてダービーまでの間隔はおよそ1ヶ月。3歳馬が30日以内に消耗の激しい東京2,400を走るのはそもそもにして負担があるのではないかと考えられます。
まず、青葉賞はダービートライアルです。つまり青葉賞に出走する馬はダービーの出走権利を持っていません。だからこそ権利を獲りに出走します。ここが肝に感じます。青葉賞は賞金加算ではなく2着以内の権利を獲りに来るわけですから、ここは落とせません。厳しいレースが予想され、自信があってもそれなりに仕上げていく必要があります。青葉賞を使うことで仕上げるといった悠長なことは、現実的に出来ないのです。周りも背水の陣で挑んできます。それらを相手に7分仕上げで勝つような馬は既に権利を持っているのではないかと。そう考えます。
その中で2着以内に入り、格段に相手が強化されるダービーで勝つのは強靭なスタミナと回復力が求められます。
エアダブリン(菊花賞3着、ステイヤーズS1着)
シンボリクリスエス(天皇賞・秋連覇、有馬記念連覇)
ゼンノロブロイ(天皇賞春2着、JC1着、有馬記念1着)
ウインバリアシオン(菊花賞2着、天皇賞春2着、有馬記念2着)
フェノーメノ(天皇賞春連覇)
上の5頭を見て下さい。青葉賞→ダービーで3着以内とした7頭のうち5頭がその後の中長距離G1で好走していることからも、やはり青葉賞ローテはスタミナが要求されるといっていいでしょう。これは重要なデータに思えます。
輸送問題
関西馬が青葉ローテを組む場合は30日以内に2度の輸送をする必要があります。これは体力的問題に拍車をかける要素です。3着内7頭のうち3頭が栗東所属でした。美浦は4頭です。美浦からのエントリーの方が間違いなく有利です。
運(枠)問題
これを調べるまでは、青葉賞ローテの出走馬にはダービーでの1枠がいないのかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。下の表は過去10年、2006年開催~のダービー入線比率です。
1枠有利は「説」ではなく数字で証明されてます。だから青葉賞馬は1枠がいなかったんじゃないかと思たのです。しかし、ダービーゲートと呼ばれる1枠には青葉賞組から3頭いました。よって運要素問題はなしとします。それにしても1枠の複勝率40%。連系馬券では必ず入れる必要がありますね。恐ろしや。
騎手確保問題
有力馬を見ると問題なく確保できているようなので、これも問題なしとします。
結論
・スタミナ豊富であれば青葉賞ローテでも好勝負
・スタミナなくても余裕仕上げで勝てば好勝負(無茶言うな)
・全馬に共通で枠は大事
・皐月賞組と比較すると、間隔的な不利は確実にある
青葉賞ローテが厳しいというよりも、このローテは優位性が何一つないことから、今後も有力候補がダービーを勝つために青葉賞ローテを選択することは無いと思われます。デビュー時期や、順調さを欠いた馬が出走するダービートライアルの位置付けは変わりません。
これだけでも、ダービー馬が誕生しない理由として十分かもしれませんが、ノーチャンスではありません。全くノーチャンスではありません。皐月賞組との激突は結果を抜きにしても楽しめますよね。今年も沸かせてくれるはずです。
予想 2017 青葉賞組
アドミラブル
大外枠。これだけで割引は間違いないですね。青葉賞は好タイムで走り、余裕のあるゴールにも見えました。が、好タイムで走って余裕のあるゴールは基本的には考えにくいのです。それはなぜか。【好タイム=消耗している】という式が成り立つためです。着差があるとどうしても余裕のゴールに見えがちですが、それは危険な判断とされます。また、2着馬が最後に緩めたかタレた可能性もあります。そうなってくるとアドミラブルが相当強いかお釣り無しの状態かのどちらかになりますが、私は後者を選択します。つまり、アドミラブルに対する結論はよくて3着とします。
→結果は3着でした。惜しい…
ベストアプローチ
10番。藤原厩舎はエイシンフラッシュでダービーの栄冠を獲得した厩舎ですが、トライアルはトライアル仕上げをすると一部では有名です。実際に休み明けやトライアルからの巻き返しを期待できる厩舎であることに違いはありません。ベストアプローチの青葉賞走破タイムは歴史的に見ても好タイムというかアドミラブルに次ぐ記録な訳です。トライアル仕上げで歴史的な好タイム。これで仮にベストアプローチがスタミナ自慢だとすると・・・枠も悪くない、騎手も悪くない、上積みもある、これは一発があるかもしれません。つまり、ベストアプローチに対する結論は3着以内とします。
→結果は9着でした。無念。でも今後活躍しそう。
予想 2018 青葉賞組
ゴーフォザサミット
諸事情で予想出来ず。結果だけ書きます。
→7番人気7着
エタリオウ
諸事情で予想出来ず。結果だけ書きます。
→13番人気4着
予想 2019 青葉賞組
リオンリオン
7枠15番。騎手横山息子。青葉賞のタイムは平凡。本番は逃げ宣言。これらの要素からリオンリオンの結論は6着以下とします。
→結果は15着でした。レコードを演出するひとり旅。1000m通過地点で終了。
ランフォザローゼス
7枠14番。騎手福永祐一。青葉賞のタイムは平凡ながらもそれなりの脚を使っていました。中長距離適正あり。良血。これらの要素からランフォザローゼスの結論は良くても3着までとします。連対は厳しい。
→結果は7着でした。今後の成長に期待。
今回は両馬共に外枠を引いてしまったことで、逃げ脚質のリオンリオンはかなり厳しいと言えます。良血として期待されるランフォザローゼスは騎手福永祐一というだけで優勝は厳しいでしょう。2連覇のイメージは皆無です。ただ、間隔を開けて稍重ながらそれなりの上がりを出したので、一瞬夢を見させてくれる可能性はありますが、連対まで突っ込んでくるには力が足りないと見ています。古馬になってから故障がなければ期待したいなという気持ちです。
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