国立感染症研究所で分離に成功した新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真
1月30日に世界保健機関(WHO)が「国際緊急事態」を宣言したことを皮切りに、感染拡大防止に向けた動きが各地で急速に広まっています。中国との取引や渡航の制限はないですが、医療制度の整っていない国へ感染する危険性を考慮した結果の決断だったようです。ただ すでにフィリピンで新型コロナウイルスによる死者が確認されています。中国国外では初の報告なだけに動揺は隠せません。ちなみにフィリピンでは、湖北省から訪れる中国人の入国を禁止したとのことです。期限は「脅威がなくなるまで」。
新型コロナウイルスのニュースで溢れている日本ですが、状況把握として自分でもブログにまとめていこうと思います。ここに書かれる情報は2月2日までに調べたことですのでお気をつけください。コロナウイルスとはなんぞやというところからまとめて書いていきます。
コロナウイルスとは
そもそも新型と言われているのでコロナウイルスとは元から存在していたウイルスの1種で、ヒトに感染するウイルスは6種類あると言われています。日常的に感染するコロナウイルスは4種類あり、風邪10%ほどの原因を占めています。ほとんどの感染者は軽傷だが稀に高熱を引き起こす可能性があります。
コロナウイルスの表面には突起物がたくさん並んでおり、形態が王冠に似ていることから、ギリシャ語で王冠を意味する「corona」という名前がつけられました。
動物から感染する重症肺炎ウイルス2種
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)
SARS(サーズ)と呼ばれ多くの人が認知している重症肺炎を引き起こすウイルスであります。感染力が強くヒトからヒトへ、1人から10人へと感染を広げる「スーパースプレッダー」の状況が見られました。当初はハクビシンが感染源とされていましたが、現在はキクガシラコウモウリが自然宿主※1と言われています。子どもにはほとんど感染せず元々心臓病や糖尿病などの基礎疾患を持っているか、高齢者が主に感染していたとされています。医療従事者にも多く感染した歴史があります。
※1…自然界で寄生体と共生している宿主のこと。通常、自然宿主に対しては無害ですが、他の生物に侵入すると病気の原因になる場合があります。
中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)
MERSはヒトコブラクダに感染するウイルスですがヒトに感染した場合、重症肺炎を引き起こすと考えられています。2012年にサウジアラビアで発見され27国で発症が確認されており、SERSほどの感染者数ではないが圧倒的に致死率が高いのが特徴です。(SERSが9.6%に対してMERSが34.4%)「スーパースプレッダー」も過去にはありましたがヒトからヒトへの持続的な感染拡大は確認されていません。SERS同様、基礎疾患を持っているか、高齢者に感染していたとされています。一般のサウジアラビア人の0.15%がMERSに対する抗体を保有しているようで、歴史的に見るともっと多くの感染者がいたとされています。
新型コロナウイルス
症状
発症した場合の主な症状はこちらです。
- 発熱
- せき
- 呼吸器症状
- 筋肉痛や倦怠感
SERS、MERSと同じく基礎疾患や高齢者に多く発症しており、重症化するのも同様に多くなっています。感染の20%で重症化していると言われてます。致死率は2〜3%と言われており、今後の報告次第で変わっていくと予想されます。
潜伏期間は1〜14日と比較的長めで、平均5.2日と発表されています。
対処法
今回は新型のため免疫を持っている人はいないと考えられています。ワクチンや特効薬は他のウイルスと違い存在しないため、その時の症状に合わせて治療をする対処療法となります。治療を行なっている間に、体が免疫を獲得しウイルスに負けないようになる他ないということです。
予防方法
一般的な衛生対策と同様で、手洗い、うがい、アルコール消毒を心がけましょう。咳をする時のエチケットが感染拡大を防ぎますので、思いやりを大切にしましょう。接触感染も感染経路の大きな原因なので、電車でのつり革など外で物に触れたあとは必ず手洗い、消毒をするようにしましょう。
コロナウイルスに感染した疑いがある時
日本医師会によると医療機関に行く前に電話をして、対応してくれる施設を尋ねると専門の医療機関を紹介してくれるので、病院での二次感染を防ぐためにもくれぐれも身勝手な行動はしないようにとのことです。感染しているかを確認することにもインフルエンザなどと違い数日間かかる上に、正確な対処法がないため病院へ急ぐ意味はあまりありません。然るべき対処を責任を持ってお願いいたします。
感染拡大した中国・武漢
定住人口約1100万人、大都市を結ぶ線が多く走る場所に位置する交通の要所として栄えてきました。北京や上海までは鉄道で4〜5時間ほどの所にあります。
中国政府は武漢市と近隣都市を事実上隔離状態に置き、3,000万人以上が影響を受けているといいます。武漢空港も封鎖されているので、街から脱出するための運行便もストップしたということです。
武漢にある日本の企業は操業を停止して責任者を残し従業員をチャーター便にて順次帰国対応しているところが多く見られます。イオンは中国政府より物資供給のため、営業を続けて欲しいと言われているようだが、5店舗のうち3店舗は24時間休業となっており、再開の目処は立っていません。
現地の様子
以下の動画で現地の情報を話しています。動画以外の情報でも、感染している恐れのある人は家から出ていけないと言われている、肺炎から心臓に負荷がかかり突然死を起こし倒れている遺体が街中転がっているなどといった話もあります。実際、歩道に遺体を覆うように白い布のような物が被せられたものが置いてある動画などもありました。
ただ前向きなニュースも聞こえてきています。武漢市に新型コロナウイルス専門病院が8日の突貫工事で完成しているそうです。決して足りているわけではありませんが、ベッド1000床あり中国人解放軍の医療スタッフ1400人が治療にあたるようです。さらにもう1棟建設中であり、その建設現場を24時間専用アプリで確認することができるようになっています。アプリ利用者は好みの重機に「頑張れ」とコメントしたり、スタンプを押して応援しながら作業を見守っています。
またタイでは新型コロナウイルス患者にエイズウイルス(HIV)治療薬とインフルエンザ薬を混合して投与したところ、感染から10日経過している重症症状が48時間以内に解消されたといいます。中国当局も米製薬大手アッヴィのエイズ治療薬の活用を検討しているとの情報もあるので、ポジティブな情報は信じていきたいところです。
最後に
何が本当の情報なのかわからない現状でなるべく真実に近いであろうことを書き連ねてきましたが、ひとつの情報源を鵜呑みにせず多くの情報を集めるようにしてください。感染力や感染者数、死者数は発表されている数字は確認されている数字でしかないと思った方がいいと思います。日本の対応もかなり甘いと思っており、イギリスでは帰国した人を2週間隔離、さらに自宅待機の対応をしているほどです。日本は帰国した人に各メディアが取材に行くなど、記者、さらには企業ごと自殺行為をしているとしか思えません。
頼りにできるのは自分自身ですので、身を守るための正確な情報収集と常識ある行動を徹底するしかありません。私は新型コロナウイルスでは絶対に死にたくありません。
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