ついに触れる時が来てしまいました。不動産業界の「タブー」に。
私は若かりし頃に不動産賃貸の営業をしていました。していたと言っても2ヶ月で退職しましたので、賃貸業について少し詳しくなった程度です。
何故“たった”2ヶ月で退職したのか?それは不動産業界(一部であることを願う)が腐敗していたからです。その会社だけでなく業界と言うのには訳がありますので後述します。
正直言って本当に驚きました。そして怖かったです。【客を客として見ていない】とGoogleで検索すれば、その会社が出てきても不思議ではありません。そんな話を書かせていただきます。
Contents
始まりはいつも仲介手数料
本当に嫌いで仕方ない(現職で真っ当にお仕事されている方すみません)不動産のネタを書くことになったのは、同僚から礼金と仲介手数料のことを聞かれたからであります。以前、私が賃貸営業をしていた黒歴史を知っている彼は二つ尋ねてきました。
「礼金て違法なの?」
ハハハ。まさか。さすがにそこは合法だよ。
「A社では無料。B社では1ヶ月分と言われたのよ」
…。まーだそんなことやってるんだ。変わらないなぁ。
「更に言うと、仲介手数料は違法なの?」
合法だよ。
「A社では無料。B社では1ヶ月分と言われたのよ」
とりあえずA社にしておきな。
突っ込みどころ満載な会話です。取り締まりたい気分にさせてくれます。キーワードは『仲介手数料』と『礼金』ですね。それぞれ説明していきます。
そもそも礼金とは?
物件を所有するオーナーに対してお礼の意味を込めて支払うお金です。敷金とは全く異なるもので返ってくるようなことは一切ありません。いい部屋を貸してくれてありがとうございます。これ気持ちばかりですが受け取って下さい。というお金です。
その気持ちを浅ましくも要求してきているのが礼金です。
この礼金は悪しきジャパニーズ文化かと言うとそうでもありません。トルコやブラジルだと礼金はありますが、台湾やイタリアには礼金そのものがありません。国によって異なります。
そして上にも書いたように当然合法です。近年では(この記事を書いているのは2019年 令和元年)礼金なし物件は増えており、国土交通省の「住宅市場動向調査報告書」によると、平成29年度は全体の55.2%が礼金なし物件です。
礼金は何ヶ月分が妥当か?
礼金なし。が借りる側としては嬉しいというか妥当に思えますが、礼金あり物件の約7割が1ヶ月分、2割が2ヶ月分、1割がそれ以外となっています。
2ヶ月分のお礼の気持ちを払うなんて私は嫌ですから、どんなに気に入った物件でも入居お断りです。譲歩しても1ヶ月分ですね。東京の物件で礼金2ヶ月なんて恐ろしいです。
※あくまでも個人的感想です
腐敗要素の礼金上乗せ
この『礼金上乗せ』というキーワードは、思い出したくもない記憶を使う必要があります。キーボードを打つ手が止まります。
この礼金上乗せとは《仲介業者が礼金を1ヶ月分多く客に請求するから後で物件オーナーから報酬として振り込んでもらう》という行為です。
礼金や敷金はオーナー(物件の管理会社)にお客様から振り込まれるので、このような流れになります。人間としてもゲスの極みに達していることを証明する詐欺に近い行為です。
では、いつどのタイミングでこの行為が行われているのか?実際のやりとりをまとめます。その行為はお客様入店時から始まっています。
登場人物:お客様、従業員、上司、管理会社
従業員(以下、従)「いらっしゃいませー。お部屋探しですか?」
お客様(以下、客)「大田区蒲田で1LDKの部屋を探しています」
従「お家賃のご予算はどれくらいでしょうか?」
客「16万ほどです」
従「いつ頃引っ越し予定ですか?」
客「来月です」
従「時間がありませんね!急いで探しましょう!ご提案資料をお持ちしますので、このヒアリングシートにご記入いただいてお待ちください」
客「わかりました。」
–ここで従業員はバックヤードに行く。
従「急ぎの客きました!来月だそうです!」
上司(以下、上)「おお。間取りと予算は?」
従「1LDKで16万です」
上「おっけい。築年数の浅い物件を探そう」
従「わかりました!」
–ここまでは普通です。ここからです。
上「物件4つ見つけたからまだ空いてるか確認してみて」
従「わかりました!」
上「空いてたら礼金乗せていいか聞いて」
従「乗っけですね。了解です」
プルルルルルル ガチャ
管理会社(以下、管)「はい。〇〇不動産です」
従「蒲田マンションの202号室はまだ募集中ですか?」
管「募集中です」
従「部屋を見ることも可能ですか?」
管「可能です」
従「ありがとうございます。今急ぎのお客様が見えてまして、この物件を案内したいのですが、礼金はゼロですか?
管「ゼロですよ」
従「なるほど。確認ですが、礼金乗せは可能ですか?」
管「どうゆうことですか?」
従「礼金を1ヶ月分多くもらうので後で弊社に客付の報酬として振り込んでほしいのです」
管「そうゆうことですね。別に構いませんよ」
従「本当ですか?ありがとうございます。念のためお名前を伺ってもよろしいですか?」
管「〇〇です」
従「ありがとうございます。またご連絡します。ガチャ」
上「乗っけられそう?」
従「OKでした!」
上「よし。じゃあ残り3件も聞いてみて」
従「わかりました!」
プルルルルルル ガチャ
正義「はい。正義不動産です」
従「蒲田アパートの303号室はまだ~」 同じやり取り
正義「礼金はゼロです」
従「なるほど。確認ですが、礼金乗せは可能ですか?」
正義「は?ウチはそういったことは一切やっておりません!」
従「わかりました。ガチャ」
という具合にしっかり断る管理会社さんもいらっしゃいます。こういった形で礼金上乗せが出来るかどうか1件1件確認していきます。そして4件全ての確認が終わりました。
上「じゃあ礼金乗せが出来る3件の図面を変更して」
従「わかりました!」
これです。提案図面には礼金ゼロと書かれているので、パソコンの編集ソフト等で【礼金0】を【礼金1】に変更してしまうのです。お客様に図面をそのまま見せてしまうと礼金ゼロになってしまうので、わざわざ0を1に変えます。
–接客が再開します。
従「お待たせいたしました。築年数の浅いきれいな物件が3つ見つかりました。こちらがその物件です」
客「賃料もちょうど良くて、駅から近いですね」
従「そうなんです。それにこの物件は即入居可能、南向きで日当たりも良好ですよ」
客「ん~いいですね。敷金礼金は1ずつですか?」
従「はい。ともに1ヶ月です」
客「わかりました。今すぐ見れますか?」
従「可能です。ではお車で向かいましょう!」
……..。
こうして契約に向かってしまうのです。礼金を1ヶ月増やされていることに気づかずに。本当はゼロだったのに。
今のネット社会であればお客様自身でその物件を検索すればおそらく同じ物件を確認することができるはずです。本来は礼金ゼロということが分かるはずです。しかしプロが探した物件で部屋も見て気に入ってしまうと、ネットで物件情報を確認する人は意外と少ないようです。どちらかというと周辺施設だったり、治安を調べたりされています。
恐ろしいことですが、これは実例です。
私がその経験を従業員側で実際に経験しています。経験しているといっても上司の礼金乗っけ指示を拒否しました。実行は断じてしておりません。そして接客を別の人間に交代させられ部長職の人間から烈火のごとく怒られました。
しかもそれは研修明け初接客の際にバックヤードで発生しました。怒るのは俺の方だろと心から思いましたし、空手で鍛えた正拳突きをお見舞いしてやりたかったです。
帰宅後一晩考え、翌朝一番で部長職の人間に退職の旨を伝えました。退職は1ヶ月前申告という社内ルールでしたが、当月末で辞めていいよと言われ、そのまま3日ほど出勤して月末に辞めました。
根っからのブラック企業…いや、漆黒といえます。
このストーリーでは従業員と上司(そもそも会社自体)が腐敗していますが、礼金乗せを承諾する管理会社やオーナーも腐敗しています。だから会社単位ではなく業界が腐敗していると書いたのです。
誠心誠意お客様のために物件を探す会社や営業マンもいるのに、このような腐敗企業のせいで不動産業界全体の評判が落ちてしまうのは大変残念なことです。
不思議なことにこのゲス会社で知り合った方とは10年以上経過しても親交があります。私が退職したのを機に同じ理由で辞めた方が2人いたのですがその2人です。
礼金乗っけを会社の指示でやってしまっていたことを飲みの席で正直に言ってくれました。人間として素晴らしい2人なのに、こんな詐欺行為を強要するなんて会社の圧力やマインドコントロールは本当に怖いなと改めて感じました。
※もし、騙された!と発覚した際は都庁に相談窓口がありますので、速やかにご相談下さい。ケースによっては営業停止という制裁に発展します。
www.juutakuseisaku.metro.tokyo.jp
礼金まとめ
1.礼金とは借りる人が貸す人に払う感謝料
2.絶対に返ってこない
3.礼金ゼロ物件は増加傾向にある
4.礼金上乗せという詐欺行為があるので、注意
仲介手数料とは?
売買、賃貸問わず部屋を紹介or案内した報酬として契約時にお客様から受け取る報酬です。不動産業者の主な収入源です。この仲介手数料でご飯を食べていると言っても過言ではないと思います。お部屋に関する費用(敷金、礼金、前家賃、鍵交換費用等)は物件オーナー(管理会社)に支払い、仲介手数料は仲介をしてくれた不動産業者に支払うことになります。物件によっては不動産業者に一括して振り込み、業者が物件オーナーに敷金等を振り込むケースもあります。
仲介手数料の金額
売買と賃貸で計算方法は異なります。
賃貸
契約するお部屋の1ヶ月分の賃料+消費税=仲介手数料
(仲介手数料に共益費や管理費は含まれません!ご注意ください)
売買
物件の売買価格によって変動します。
400万円以上の部分:3% + 消費税
200万円以上400万円以下の部分:4% + 消費税
200万円以下の部分:5% + 消費税
少し複雑ですが、計算式を使用すれば簡単です。計算方法は以下のとおりです。
【物件価格(税抜)× 3% + 6万円 + 消費税】
物件価格4,000万円の場合は126万円(税別)発生するということになります。
仲介手数料無料はどうしてできるのか?
これを説明するにはまず広告料(ADとも言う)を知る必要があります。広告料とは《仲介業者が物件オーナーからもらう報酬》のことです。上で書いた礼金は借りる人が貸してくれる人に払う感謝料と書きましたが、この広告料は貸す人が紹介してくれた人に払う感謝料と考えてOKです。
何故広告料が発生するのか?
①貸したい人(オーナー)は自分でお客様をご案内出来ない。
自分で部屋を購入して、自分でお客様を住まわせる人(会社)も当然ありますが、それが出来ないケースの方が多いのです。それは何故かというと、個人が分譲マンションとして購入してお客様を住まわせるには、契約書や紛争防止条例に基づく説明書や重要事項説明書等を取り交わさなければなりません。
それを行うには宅地建物取引士の資格が必要です。宅建は200時間~300時間の勉強時間が必要とされており誰もが取得できる資格ではありません。代わりに案内から契約まで行ってくれてありがとうね。という気持ちで広告料という名の謝礼を渡すイメージです。
②不動産業者にアピール
マンションの経営は基本的に賃料で成り立っています。賃料は毎月1回しか徴収できませんので、年間12回ということになります。ということは空き家状態の部屋を持っていてもそれはただの機会損失にしかならないのです。そうなると早く次の入居者に住んでもらいたい。となります。そこで広告料の出番です。
不動産業者だけが見れる特別な物件情報サイトがあるのですが(これはまたの機会に)、そこから空室情報を取得し、図面や資料としてお客様に提案します。
では何を基準に情報サイトから検索するのか?当然お客様の要望に沿うにベストな物件を紹介すべきなのですが、その中に広告料付きの物件があるとしたら!?広告料付きの物件を紹介しますよね。その物件で決まれば、お客様からいただく仲介手数料も物件オーナーからいただく広告料も両方もらえます。これを『両手物件』と呼んだりします。同じような物件が二つあった場合、間違いなく不動産業者は広告料付きの物件を紹介しますので、不動産業者へ謝礼を払ってでも入居者が欲しいオーナーとしては広告料が不動産業者へのアピールになるのです。早い話が「お金あげるから紹介して」ということです。
改めて仲介手数料無料はどうしてできるのか?
広告料をご理解いただいたとして話を戻しますと、本当にお客様のことを考えている不動産業者は両手で報酬を得るようなことはしないのです。広告料がある物件は、そこから報酬を受け取るので、お客様の仲介手数料は不要です。という超良心的なスタンスを守っています。素晴らしい限りです。黙っていれば仲介手数料も広告料も両方もらえるところを片方は不要とする。素晴らしい限りです。私もこのようなスタンスの不動産会社に入社していれば今と違う人生を歩んでいたかもしれません。それくらいインパクトのある内容です。なんてったてあの会社は….もう止めておきます。
仲介手数料まとめ
1.賃貸と売買では計算方法が異なる
2.広告料が発生している物件であれば不動産業者次第では無料にしてくれる
3.仲介手数料無料とはお客様想いの証明である
じゃあどこの不動産業者が良いのか?
行き着く先はこれですよね。結論ファーストで最上部に書こうか迷ったのですが、どうしてもこの業界を知っていただきたかったので最後に持ってきました。私がどこの業者がオススメ!など言える立場ではないのですが、記事の冒頭で同僚が比較していたA社とB社の内、完璧な提案を行っていたA社をご紹介させていただきます。
住宅ナビ株式会社
仲介手数料無料の家探し・部屋探しを行なっている住宅ナビ株式会社を僭越ながら推奨させていただきます。この企業は、ホームページに仲介手数料無料で対応することをきちんと公言しており、複数のメディアにも取り上げられている企業のようです。(間違いを書かないように調べさせていただきました)
www.navizo.co.jp
住宅ナビは不動産会社お客様満足度1位を2年連続で獲得しており(ゼネラルサーチ調べ+楽天リサーチ調べ)更に言うと満足度1位は僅差ではなく2位を大きく引き離しての1位でした。信頼度抜群です。
住宅ナビが行なっている満足度1位を実現するサービス内容は以下のとおりです。
①仲介手数料無料
②住宅ローンに特化
③関東全域をカバー
④見学、内見は無料送迎
⑤お客様のペースに合わせる
⑥資金計画から相談可能
⑦ライフプランの見直し
HPには100件を超えるお客様の声が寄せられていました。
https://www.navizo.co.jp/customer/
あとがき
星の数ほどある不動産業者。その全てが住宅ナビのようにお客様第一主義を貫くようになることを祈るばかりですが、恐らく無理なハナシだと思います。今回取り上げた事例は氷山の一角だからです。不動産関連は一般的な消費金額と比べると高額なため悪さを働く人間が集まりやすいのです。合法的にギリギリのラインで商売しているところもあります。
たとえば退去時のクリーニング費用とか。敷金の相殺とか。ペットのこととか。水漏れは誰に責任があるとか。言い出したらキリがないほど不動産にはトラブル要素が多いのです。なので、住宅ナビのような何でも正直に応え、良心的な提案を行なってもらえ、契約完了後もお付き合いの出来る業者選びこそが、満足できる物件に巡り合うために必要な第一歩だと思います。
くれぐれも物件検索サイトからそのまま問い合わせしないように。くれぐれも問い合わせ先の不動産業者がどういった業者かを調べてから連絡するようにお願い致します。
長く書かせていただきました。最後までお読みいただきありがとうございました。
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